洋食器メーカーのニッコー株式会社(以下、ニッコー)は4月26日、飲食店のサステナビリティを支援するウェブマガジン「table source(テーブルソース)」を開設した。

同サイトの開設と合わせ、食器のサーキュラーエコノミーを推進する研究開発プロジェクト「NIKKO Circular Lab(ニッコー・サーキュラー・ラボ)」を開始し、これらの取り組みを加速させるべく、日本サステイナブル・レストラン協会に加盟した。

ニッコーは石川県金沢市で1908年に創業して以来、約100年間上質な食器づくりを目指してきた。「環境にやさしい企業」を倫理憲章に掲げ、これまでも資源の有効活用やリサイクル、省エネなどのサステナビリティ活動を推進してきたとしている。しかし、次の100年間事業を継続するためにはリニアエコノミーから脱却し、食器の耐久性向上や回収・再資源化など、サーキュラーエコノミーへの移行が必要であると同社は考える。資源枯渇や気候危機といったサステナビリティ課題に対して生産者・シェフ・飲食店をはじめとした食におけるすべての関係者と共に取り組むことを目指し、今回のウェブマガジンの開設と研究開発プロジェクトの開始、および日本サステイナブル・レストラン協会への加盟に至った。

table source

table sourceは飲食店のサステナビリティを支援するウェブマガジンで、飲食店経営者・ホテル経営者・シェフ・生産者を主な対象読者層とする。サステナビリティやサーキュラーエコノミーへの移行に取り組む飲食店およびホテルに対して、情報収集からサステナブルな調達・情報発信までを支援するとしている。table sourceという名前には、飲食店のテーブルがより豊かで持続可能な料理で彩られ、それを囲む人々の笑顔が生まれるようなアイデアの「源(ソース)」になりたいという想いが込められた。

主な掲載内容は、以下のとおりだ。

  • ニュース・コラム・インタビュー記事:国内外のレストランや食に関する最新のサステナビリティ動向・事例・知見を発信する
  • NIKKO Sustainable Solution(ニッコー・サステナブル・ソリューション):飲食店のサステナビリティ評価・社内浸透・サステナブル調達・広報を一貫して支援する
  • NIKKO Sustainable Selection(ニッコー・サステナブル・セレクション):環境や社会に配慮した洗練された製品を紹介する

NIKKO Circular Lab

循環型の食器づくりへの転換を通じて、ニッコーのパートナーである飲食店・ホテル・顧客と地球全体のサステナビリティを高めていくことを目指して、組織横断型の研究開発プロジェクト「NIKKO Circular Lab」を開設した。

サーキュラーエコノミー移行への取り組みの全体図(出典:ニッコー株式会社)

同ラボは「100年後の、循環する未来をデザインする」をテーマに、原材料の調達から製造・利用・回収・リサイクルまで、陶磁器の事業に関わるバリューチェーンにおいて、サーキュラーエコノミーの原則に沿った取り組みを進めていくとしている。具体的には、限られた資源を大切に活用し、普遍性のあるデザイン・耐久性・機能性を兼ね備えた食器をつくり、その食器をサステナブルな梱包で顧客に届け、一枚一枚をできる限り長く使うことを促す。使用後は食器を回収し、リユース・修理・リファービッシュ・アップサイクル・リサイクルなどを通じて食器のサーキュラーエコノミーへの移行を目指す。同ラボの取り組みの詳細は、table source上で公開・発信していく予定だ。

NIKKO Circular Lab のプロジェクト一覧(出典:ニッコー株式会社)

日本サステイナブル・レストラン協会に加盟

サプライヤーとしての立場を越えてさまざまなステークホルダーと協働・共創しながらレストランのサステナビリティ向上に貢献するため、ニッコーは、英国に本拠を置くSRA(Sustainable Restaurant Association)の日本支部である日本サステイナブル・レストラン協会に加盟した。今後、SRAとの協業により、食のサステナビリティを推進するために世界の飲食店・レストランが世界共通の自己評価として使用しているツール「Food Made Good 50」の活用支援やイベントなどを開催していくとしている。

ニッコーは、5月19日(水)に開催されるSRAとハーチ株式会社共催のイベント「コロナの先にあるレストランの未来~飲食業界のサーキュラーエコノミーを考える~」に登壇する。詳細はこちら

今後ニッコーは、企業の枠を超えてさまざまなパートナーと協働しながら、飲食店・ホテル・食を取り巻く業界全体のサステナビリティ向上に取り組んでいく意向だ。

ニッコー株式会社

多数の一流ホテル・一流レストラン・有名百貨店を顧客に持つ陶磁器メーカー。最高の品質と品位を目指し、原料加工から最終工程に至るまで石川県の自社工場で一貫して製造している。大規模な製造量を誇る洋食器メーカーでは日本唯一の存在であるとしている。

日本サステイナブル・レストラン協会

2010年に英国で創設されたSRA(Sustainable Restaurant Association)の日本支部。SRAは外食産業のサステナビリティを高めることを使命とし、英国から香港・日本・ギリシャに拡大させ、今後はハンガリー・チリ・台湾・その他で展開していく予定だ。料理界のアカデミー賞と呼ばれる「世界のベストレストラン50」というレストランの格付けにおいて、「サステナブル・レストラン賞」を評価している。

【プレスリリース】
食の未来をともにつくる。飲食店のサステナビリティを支援するメディア「table source」ローンチのお知らせ(ニッコー株式会社)

食の未来をともにつくる。飲食店のサステナビリティを支援するメディア「table source」をローンチ(PR Times)